抗がん剤後に髪の毛が生えないの3つの原因と今すぐ試すべき事【治療法】

 

抗がん剤治療後に髪の毛が戻らないケースがあります。

実に1~2割もの人に。

 

今まで治療が終われば必ず戻るといわれていた脱毛ですが、最近の調査で実情が少しずつわかってきたそう。

 

ただ脱毛に関しては年齢的なことも関係しているため、一概に治療が100%原因とは言い切れないのが難しいところでもあります。

 

とはいえ、治療後何年経っても元の地毛とは明らかに違う場合、これは間違いなく治療の影響だと思わずにはいられませんよね。

だって、今まで量も多くしっかりした髪質だったのに、抗がん剤治療後の髪の毛は明らかに弱弱しく急に量も少なくなるなんて、それが原因としか考えられないから。

 

だけど医師にはなかなかわかってもらえず、悶々とただひとりで悩んでいる・・・

そんな人も多いんじゃないでしょうか。

 

今回は抗がん剤治療後に髪の毛が生えない場合に考えられる原因と治療方法についてお話していきます。

 

抗がん剤で髪の毛が生えない場合に考えられる原因

治療後に生えない原因

 

主に下の3つの原因が考えられます。

乳がんのホルモン療法(内分泌療法)が原因

乳がんの治療でホルモン療法を行っている場合です。

抗がん剤が終わったにも関わらずなかなか髪の毛が生えない人が少なからずいます。

 

実際にホルモン療法と脱毛症に関する複数の研究結果からこのようなデータが。

 

    • 35件の臨床試験に参加した1万3415人のうち脱毛症罹患率は4.4%。
    • タモキシフェンを使用していた患者の罹患率が高く25.4%にものぼる。

【参考記事】乳癌の内分泌療法は男性型と似た脱毛を起こす(日経メディカル)

 

 

そしてなかなか生えない箇所として特に多いのが前髪。

他の部分は辛うじて生えてきているけど前髪だけ産毛程度でちっとも伸びない!と悩まれている人も実際は結構多かったりします。

 

これは女性ホルモンが大きく影響していることが原因。

乳がんのホルモン療法には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を抑える作用があります。

 

エストロゲンとは?

エストロゲンは女性ホルモンの一種で「卵胞ホルモン」とも呼ばれます。

ホルモン値を調べる血液検査ではE2と書いてあったりもしますね。

子宮や乳腺・乳房の発育に関わり女性らしいふくよかな体つきを作っているのはこのホルモンの働きによるもの。

 

通常、脳からの指令により周期的に卵巣から分泌されています。

この分泌の増減により生理が起こりますが、更年期になると十分に分泌されず様々な症状が。

 

これが女性なら1度は耳にしたことがあるであろう更年期障害。

抑うつ状態やホットフラッシュをはじめ、エストロゲンが十分に分泌されていた頃にはなかった様々な不快な症状が出ることがあります。

 

その症状が重い人では日常生活を送ることさえ困難になるくらい。

それほどエストロゲンは女性の身体の中で重要な働きをしているホルモンなのです。

 

エストロゲンの働き

そんな大役をこなすエストロゲンには本当にたくさんの働きがあります。

 

 

エストロゲンの作用

    • 自律神経の調整
    • 骨を丈夫にする(骨粗しょう症の予防)
    • 脂質の代謝を促す(動脈硬化の予防)
    • 脂肪をたくわえ女性らしい丸みのある身体つきにする
    • 肌のハリや潤いを保つ
    • 髪をツヤツヤにする
    • 脳の活性化(認知症の予防)
    • 妊娠しやすい環境にする(子宮頸管粘液を増やす・子宮内膜を厚くする)

 

ほんとに素晴らしい働きっぷりですよね。

エストロゲン様様です。

 

 

その反面、不足したときにはもちろん不都合な症状がいろいろと起こってきます。

 

エストロゲンが減少すると起こる症状

    • 自律神経が乱れる(のぼせる・うつ状態・イライラ・不眠)
    • 肌や粘膜が乾燥する
    • 抜け毛が増える
    • 骨粗しょう症にかかりやすくなる
    • 認知症のリスクが上がる
    • 免疫力の低下
    • 動脈硬化・心筋梗塞のリスクが上がる

 

一覧にもある通り、エストロゲンが減少したときに起こる症状の中に「抜け毛」があります。

エストロゲンがどのように髪に関わっているかについても少し触れたいと思います。

 

エストロゲンの髪への作用

エストロゲンは髪が生えてから抜けるまでのヘアサイクルにも大きく影響を与えています。

 

 

エストロゲンの髪への作用

    • 髪の毛の成長を促進する
    • 髪の成長期を長期間維持する
    • 頭皮の新陳代謝を活発にし髪に栄養を与える

 

このようにエストロゲンは髪の成長を促し、退行期という抜け落ちるまでの時間を長くする働きがあります。

 

ちなみに発毛してから抜け落ちるまでの期間は男女で違っています。

男性の場合は3~5年、女性の場合は4~6年。

 

一般的に女性の方が長い髪を維持しやすいのはこのヘアサイクルの違いもあるんですよね。

 

ホルモン療法中はエストロゲンの減少により発毛が抑制されている

このようにエストロゲンは髪の成長に大きく影響を与えています。

抗がん剤が終わったところで思うように髪の毛が生えてこないのも、このエストロゲンが不足している状態では当然なのかもしれないですね。

 

そして前髪や頭頂部が特に生えにくい要因も、やっぱりこのエストロゲンが関係しています。

 

元々この部分は男性ホルモンの分泌が多く、通常であればエストロゲンとの絶妙なバランスを保ちながら正常なヘアサイクルを保っています。

ですがホルモン療法でエストロゲンが減少したことにより男性ホルモンが優位に。

 

男性ホルモンは発毛を阻害します。

その結果、「前髪が特に生えない」という状態に。

 

ただやはりこれも個人差があり、ホルモンの影響を受けにくい体質の人もいるようです。

 

加齢による女性ホルモンの減少が原因

抗がん剤治療後に髪の毛が生えない原因は単に加齢によるものも考えられます。

ただこれは10代や20代でガンになった場合は考えにくく、30代後半~40代の人の場合。

 

なぜなら女性ホルモンの減少が関係しているからです。

 

早い人では30代後半からでもなりうるという更年期。

抗がん剤治療後にそのまま更年期にさしかかり、発毛がしにくい状態になっているということです。

 

これも理由としては乳がんのホルモン療法と同じでエストロゲンの減少によることが大きな原因。

違う点は薬によって意図的にエストロゲンを減少させているのではなく、加齢により自然になっているということ。

 

自己免疫疾患によるものが原因

これはいわゆる「円形脱毛症」よ呼ばれる症状です。

 

私たちの身体は体外からやってきた細菌やウイルスなどに対して、例えば鼻水を出す、咳を出すなどの身体の反応を引き起こすことによって無意識に異物を排除をしています。

これは正常に免疫が機能しているおかげ。

 

ですが何らかの原因でこの免疫に異常をきたすと自分の身体の細胞までもを異物だと誤った認識をし、攻撃をしてしまうことがあります。

この免疫の異常によって引き起こされる病気の総称を自己免疫疾患といいます。

 

そしてこの自己免疫疾患の中に脱毛症があります。

自己免疫疾患を引き起こす原因は解明されておらず、遺伝的な要素の他に様々な要素があるそう。

 

抗がん剤治療によって何らかの体内のバランスが崩れ、自己免疫疾患を引き起こしてしまったという可能性も否定できませんよね。

 

また脱毛症にストレスが関与しているとはよく言われることです。

 

ガン宣告に加え長期にわたって抗がん剤治療を行わなければいけなかった私たちの身体。

長い間ストレスにさらされていたことは言うまでもありません。

 

もしかしたら自己免疫疾患と同じような状態にあり、発毛が抑制されているのかもしれません。

 

【治療法】抗がん剤後に髪の毛が生えない場合に試すべきこと

抗がん剤後に髪の毛が生えない場合に試すべきこと

まずは治療の前に心がけたいこと。

言うまでもなく基本的で一番大切なことですが生活習慣です。

 

規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事、適度な運動は髪にも大切です。

栄養が不足している状態では健康な髪の毛は作られません。

 

また血行が悪い状態では栄養のある血液が頭皮の細胞まで運ばれません。

 

次に治療方法です。

原因別にお話しします。

 

ホルモン療法が原因の場合

下の二種類の育毛剤で改善される可能性があります。

ミノキシジル

ミノキシジルという成分が入った外用剤(育毛剤)の使用です。

これはAGAとよばれる男性型脱毛症の治療薬の中にも入っている成分。

 

商品名でいうとリアップといえば耳にしたことがある人も多いかもしれません。

これが頭皮の血行を促進し発毛を促す働きをします。

 

実際にこのような報告もあります。

 

    • ホルモン療法に起因する脱毛(髪が生えない)にAGAと似た傾向があると認められた。
    • 実際にミノキシジル外用剤で80%に明らかな改善がみられた。

【参考記事】乳がん患者に起こる脱毛の防止と対策(SHARE日本語プログラム)

 

ミノキシジルは医師の処方箋がいらない医薬品のため薬局などでも簡単に購入できます。

ですがホルモン療法を受けている最中の場合は必ず主治医や皮膚科に相談のうえ試すようにしてください。

 

CG428ヘア&スカルプローション

こちらは抗がん剤による脱毛専門の育毛剤。

ホルモン療法による脱毛にも使えます。

 

 

実はダズルのお客様から教えてもらった育毛剤。

「このCG428がなければ脱ウィッグが一生できなかったかもしれない」

そう言われるくらい明らかな改善がみられたそうです。

 

詳しくは【CG428ヘア&スカルプローション】抗がん剤脱毛にはこれ一択の理由の記事をご覧ください。

 

加齢による女性ホルモン減少が原因の場合

こちらもミノキシジルの外用剤で改善する可能性があります。

これは男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで定めれた治療法の中でも「行うよう強く勧める」の分類に位置づけられた根拠のある治療方法です。

 

そのガイドラインにこう記載があります。

 

ミノキシジル外用の発毛効果に関して,高い水準の根拠があるので,男性型脱毛症に 5%
ミノキシジル,また女性型脱毛症に 1%ミノキシジルを外用するよう強く勧める.

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

 

 

治療効果があると認められているのならぜひ試してみるべき。

安全性も確認できているようですしね。

 

 

 

自己免疫疾患が原因の場合

残念ながら根本的な治療法は今のところ確立されていません。

しかしながら日本皮膚科学会によって定められた円形脱毛症診療ガイドラインにそって治療を行うことで少しでも改善する可能性があります。

一度皮膚科の受診を検討してみてください。

 

髪の毛が生えない間はウィッグかトップカバーで対処する

髪の毛が生えない場合の治療法について書きましたが、例え効果があったとしても伸びるまで数カ月はかかると思います。

また上の方法を試したところで、それでもなかなか思うように発毛しない人もいるかと思います。

 

そんなときはやっぱりウィッグやトップカバーが心強い味方です。

見た目を気にしながら生活するなんて嫌ですもんね><

ダズルでもお手頃な価格で普段使いできるウィッグを販売しているのでぜひのぞいてみてください^^

 

長くなりましたが読んでいただきありがとうございました☆

髪の悩みが解決できる日がくるよう、心より願っています。

 

 

 

 

~自身の経験からウィッグ販売を始めました~

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