【抗がん剤で脱毛するのはなぜ?】抜けるメカニムズと予防対策

抗がん剤治療、化学療法を行うに当たって避けられないのはやはり脱毛。

人によっては一番避けたい副作用かもしれません。

 

その原因やメカニズムについて少しだけでも知っていること。

また発毛までの期間、髪質の変化のことを知ること。

 

少しの知識でできる心構えや対策があります。

抗がん剤治療によって全ての頭髪を失った私の経験からお伝えしていきます。

 

抗がん剤治療でなぜ脱毛するのか?

抗がん剤治療では化学物質によってがん細胞の増殖を抑制したり死滅させる治療を行います。

放射線や手術とは違い飲み薬や点滴などによって全身に巡る為、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼします。

(※最近では標的とするがん細胞にのみ作用する薬も出てきています)

 

また細胞分裂が活発なところほどその影響は強く出ることに。

特に髪の毛や爪。

身体の中でも目に見えて成長が早い場所ですよね。

それだけ細胞分裂が活発だということ。

なのですぐに抗がん剤の影響を受けることになってしまいます。

脱毛するメカニズム

抗がん剤は細胞分裂の活発なところを攻撃する特性があります。

がん細胞の次に活発だと言われているところが髪の毛。

具体的には髪の毛根にある「毛母細胞」がダメージを受けます。

これによって一時的に髪の毛が作られない状態になり、脱毛という現象が起きてしまいます。

通常抗がん剤投与後、2~3週間後に抜け始めます。

脱毛が起きやすい抗がん剤の種類と程度

実は脱毛の程度やスピードは使用する抗がん剤によってかなり違います。

また近年がんに関する研究が急速に進み、「分子標的薬」という脱毛の副作用がない薬まで出ています。

多少の個人差はあるものの、全て脱毛する人もいれば地毛が残る人、また脱毛をしていない人もいるのはこの為です。

下記は主な抗がん剤の種類と脱毛の起きやすさを分類したものです。

高度:もっとも脱毛が起きやすい

シクロホスファミド(エンドキサン)
イホスファミド(イホマイド)
エトポシド(ペプシド・ラステット)
ドキソルビシン(アドリアシン)
アムルビシン(カルセド)
パクリタキセル(タキソール)
パクリタキセル(アブラキサン)
ドセタキセル(タキソテール)
イリノテカン(トポテシン・カンプト)
エピルビシン(ファルモルビシン・エピルビシン)

中程度:中間くらいに脱毛が起きやすい

アクチノマイシンD(コスメゲン)
ブレオマイシン( ブレオ)
ビンクリスチン(オンコビン)
ビノレルビン(ナベルビン)
カルボプラチン(パラプラチン)
メトトレキサート(メソトレキセート)

軽度:比較的脱毛が起こりにくい

シスプラチン(シスプラチン・ブリプラチン・ランダ)
メルファラン(アルケラン)
フルオロウラシル(5-FU)
ゲムシタビン(ジェムザール)
テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ)
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン)

 

※一般名(商品名)の順に記載しています

一般名⇒薬の有効成分の名称
商品名⇒製薬会社の医薬品の名称

私が実際に使用した抗がん剤と脱毛の進行状況

一例として私の場合の脱毛スピードと脱毛具合です。

悪性リンパ腫の治療に使用した抗がん剤

  • リツキサン
  • エンドキサン
  • アドリアシン
  • オンコビン
  • メソトレキセート
  • キロサイド

 

初回の抗がん剤投与から抜け始めた時期

2012年11月14日、初回の抗がん剤(エンドキサン)の投与。

2012年11月27日、陰毛が下着にごっそりつくようになった。

2012年11月28日、髪の毛が抜け始める。

2012年11月30日、ごっそり抜け始めるようになった為バリカンで短くする。

2012年12月19日、ほぼ全ての髪の毛が抜ける。

初回の抗がん剤から脱毛まで

(2012年、12月19日に撮影した写真です)

当時思ったこと

治療をするにあたり約2週間で脱毛が始まると主治医から説明を受けていました。

私の場合はその通りぴったり2週間後に脱毛開始。

 

髪の毛が脱毛するという認識はもちろんあったけど、その他の体毛まで抜けるという考えまで及ばず。

おかげでいきなり下着に抜けた陰毛がついていたことには正直びっくりしました。

 

次の日からすぐに髪の毛が大量に抜け始めた為、ボブまで短くしてあった地毛を更にバリカンですることに!

ただ枕についた短い毛を掃除するのがとても大変だった為、あまり短くしすぎるのもおすすめしません><

短くされる方は3~5センチ以上はあった方がいいと思います。

 

私の場合はエンドキサンとアドリアシンという脱毛の生じやすい抗がん剤を大量投与だったために脱毛のスピードも速く、1か月ほどでほぼ全ての髪の毛がなくなりました。

 

抜け始めた初日と、覚悟を決めてバリカンをした日。

この2日は本当に辛く悲しかったです。

髪を失いたくないというのは女性の本能なのかもしれないとさえ思いました。

この喪失感は言葉では表現できません。

 

だけど、バリカンでスッキリした後、
その後ほぼ全てが脱毛してツルツルに近い頭になったとき。

何か吹っ切れたのか、予想外に心身ともにすっきりした覚えがあります。

 

それに抜けきったあとは、とにかく頭をを洗うのが楽ちん!気持ちいい!

入院生活でお風呂に入れない日が続いていましたが、毎日支給される蒸しタオルで簡単に拭くことができ、その都度さっぱり爽快な気持ちになれました。

本当にささやかですが、もうすっかり入院生活での小さな楽しみに(о´∀`о)

抗がん剤の副作用で体調の優れない中のシャンプーなんて考えただけでもしんどいですが、その必要もなく楽ちんになったのは思わぬ副効用でした(苦笑)

 

予防、対策について

予防

残念ながら有効な予防法はないのが現状です。

できることはその他のトラブルが起きないよう頭皮を清潔にすること。

また脱毛期はマッサージを避けるなどできるだけ刺激を与えないことが大切です。

脱毛期や脱毛後のシャンプーは、低刺激のものを使うのがおすすめ。

私の場合は低刺激の泡タイプ洗顔フォーム(アルージェ モイスチャーフォーム)を頭皮にも使っていました。

元々アトピーでお肌も頭皮も超デリケートだったので、泡タイプは本当に優しいつけ心地で今でも愛用してます。

洗顔フォーム

対策

  • 地毛を短くしておく
  • 医療用ウィッグの準備
  • ケア帽子・医療用帽子の準備
  • 外出用帽子の準備

 

☆こちらの記事も参考にしてください☆

 

 

 

 

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